プロフィール

tad@イノヘッド

Author:tad@イノヘッド
おはなしコレクション!

カテゴリー

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

MAIL

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

噺 藝 wa-gei
O, what men dare do! What men may do,daily do! Not knowing what they do!
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鞠の精
蹴鞠(けまり)は、平安貴族が好んだ芸事だ。
蹴鞠の道で、史上最高の名手と讃えられる鞠聖・藤原成道卿は「鞠の精」と親しかったという。

こんなハナシだ。

-----------------------------------------------------

明朗にして優美、誰からも好かれた侍従・成道卿は、和歌や笛にも優れ、乗馬も巧みだったが、
なにより心血を注いだのは蹴鞠であった。

蹴鞠の庭に立つこと七千日、うち二千日は一日たりと休まず、病の折は寝床で蹴った。
清水寺に詣でた折は、欄干の上を前へ後ろへ伝いつつ蹴った。

この成道が千日休まず蹴り続ける「千日行」満願のその秋の日、
当時の蹴鞠の名手をずらりと招き、盛大なる祭式を自邸の庭で催す。
鞠の数三百、鞠が地に着く音なく皆々宙に舞い、成道の偉業を祝す。
夕暮れて祝宴が始まっても鞠談義はつきず、互いに得意の秘技を披露し讃えあう。
時さえも鞠の技に酔うかのごとく進むが、やがて名残り惜しくも散会となる。

その夜、冷えた輝きを放つ月が、雲に隠れた合間のこと。
成道が部屋に差し込む光が弱まったのに気付き、灯火を近づけんと目を上げる。
と、同時に棚に奉納していた鞠が落ち、卿の方へコロリと転び来る。

奇なる気を感じた卿が目をこらすと、顔は人、身体は猿に似た童子が三人、
小さな手で鞠を捧げ持ち立っている。

驚いた卿が気を落ち着け「お前たちは何ぞ」と問うと
「われらは鞠の精です」と応え、続けて真中の童子が語り出すではないか。

  「 驚かれるのも無理はありません。私たちは、これまで人前に姿を見せたことはないのです。
   貴方ほど鞠を好んだ方は、かつておいでになりません。この度は、念願の千日鞠も果たされ、
   誠に喜ばしく、私どももお供えを戴き感謝しております。
    ついては、貴方さまと鞠の事など語りあいたく思い、こうして出てまいりました」

[READ MORE...]
スポンサーサイト


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。